番外編:「ごあいさつ2017」
遅ればせながら…
皆さまはどのようなお正月を過ごされましたでしょうか。
現在わたしは、ストーリーの第4章に取り組んでいます。この章では、今から約6カ月前の、抗がん剤投与開始後のことを書いていきます。
マイペースな更新にも関わらず、読者の皆さまに訪問いただき、お声までいただけることが本当にうれしく、励みになっています。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、この年末年始、ちょうど一年前の出来事を思い出しました。
2015年の大晦日。
乳房全摘出と自家組織からの再建手術を終えてまだ10日ほどしか経っていないときのことです。
退院したとはいえまだまだ手術の箇所に痛みがあり、自力で立ち上がったり、移動したりすることはむずかしかったのですが、精神的にはずいぶん元気回復していました。テレビをつけると、年末年始ムードで満載。そんな世間の中にとび出してみたいなと思ったのです。そこで、夫と大晦日の買い出しに行くことにしました。
イオンへ行きました。車椅子を夫が運んできてくれて(イオンでは車椅子を借りることができます。)感謝の涙が出てきたのを覚えています。
いざ、乗ってみると…
ギャーーーー!とめてとめて!
なめらかに見える地面でも、手術直後のわたしにとっては、ありえないくらいでこぼこに感じるのです。わずかな高低差でも体じゅうに響いて痛いのでした。
大行列のレジ待ちをしているときのことでした。夫がお手洗いに行くためにその場を離れました。夫にしてみれば「すぐに戻ってくる」というつもりでしたし、私は「自分で運転できるから大丈夫」と思っていました。しかし、それは思い違いでした。
前の人が移動し、自分が前に進む番になって車椅子を動かそうとすると、全然行きたい方向に動いてくれないのです。
焦れば焦るほど、「動かせない!」とアワワワ…。
そのとき、すぐ後ろのお二人が(お母さんとお嬢さんだと思います)、私の車椅子をスッと押してくれたのです。「膝に荷物抱えてるから、大変でしょ。」と…。
彼女たちは、夫が戻ってくるまでずっと、さり気なく私の車椅子を押してくれていました。その温かさとお心づかいに、とても感動しました。
「膝に荷物抱えてるから」と言った彼女たちには、身近に車椅子で生活している方がおられるのかもしれません。でもそれはどうであれ、スッと自然に手助けができるなんて素晴らしいことだと思いました。そのとき感じた安心はとても大きなものでした。私は彼女たちにそんな思いをこめて、お礼を言いました。
術後一年の検査をもうじき受けることになっています。
今、元気に仕事復帰していますが、検査結果の不安がないとは言い切れないのが正直なところです。
けれど、なんでもない毎日は、幾つもの小さな奇跡の重なりです。今日を感謝するということを忘れず、このストーリーを通して、皆さんに元気を与えられるよう(ゆっくり)頑張っていきたいと思います。
あの親子さんのように、私も誰かに安心を与えたり、背中を押してあげられたりする存在になれるといいな。
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