第1章 その1:「はじまり」




 2015年5月13日。



 明け方、左胸を針で突き刺すような痛みで目が覚めた。乳房を触ったらとても硬い。



 すぐにスマホで症状を検索した。検索結果は「乳腺症」の記事ばかり。もちろん「乳がん」という言葉が頭をよぎったけれど、ネットの「初期段階では、体調不良や痛みなどの自覚症状はないことが多い。」という情報を疑うことはなかった。

 自分ががんになるなんて、誰が思うだろうか。そしてまたすぐに、眠りに落ちた。



 そういえばここ数日、左胸の乳房脇に、ズキンズキンという痛みが走ることがあった。子どもを授かろうとしていたので、妊娠したからかもしれないと考えていた。結婚して2年。夫40歳、私35歳。そろそろ子どもがほしいね、と、夫婦でも話していた。

(妊娠したかも!だったら嬉しいな。でも、生理前の独特な症状かかな?それにしても今までになく痛いなぁ…だからこそ妊娠だ、わーい!)



 翌日は、午前中に一件、午後に一件、仕事の打ち合わせが入っていた。ごく普通の一日になりそうだった。







Pink Rebooorn Story

2024現在、たいへん健康^^ 2015年にステージⅡb、大きさ4.7センチ、Ki67:87%の乳がん発覚。 このサイトでは、乳がん発覚〜術前抗がん剤〜手術+再建終了までの 約1年間の闘病生活を振り返り時系列で綴っています。 待望の妊娠!と思ったら、トリプルネガティブ乳がんでした…

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